1.概要

KUR炉頂にあるサブプールから炉心の中央部にカプセルを送ることができ、KURにおいて熱中性子のみならず高速中性子についても最も高い中性子束が得られる照射設備である。照射したカプセルはキャナルを通ってホットラボラトリーのホットケーブ室に送られ、開封はAセルでマニュピレーターを使用して行う。建設当初は水圧を利用してカプセルを移送していたため水圧輸送管という名称であるが、現在はワイヤーでの移送に変更されている。

図1.炉心近傍図
図2.水圧輸送管概要図

2.特性

5MW

熱中性子束:1.06E+14 (n/cm2/sec)

高速中性子:1.05E+14 (n/cm2/sec)

カドミ比(Au):7.57

※炉心配置により変動する

図3.HYD中性子エネルギースペクトルの計算結果(5MW)

3.条件

・過去に中性子照射の実績があること。ただし、KUR原子炉主任技術者が安全性に問題ないと判断した場合はその限りではない。
・最大照射時間:KURの出力に関係なく1週間
 短い時間の照射は圧気輸送管で行うこと。
・カプセルはHYD専用のアルミカプセル(材質:A5052)を使用する。
・カプセルの中は水で浸されるため試料はインナー容器に入れる。

図3.HYD専用カプセル
図4.圧着アルミニウム管

インナー容器の種類

・圧着アルミニウム管
実験所で配布。内部Heガス置換、圧着は装置管理者が行う。

・石英ガラス封入
各自準備してください。移送の際衝撃で割れないよにアルミホイルを巻いて緩衝材としてください。

・アルミニウムカプセル
各自準備してください。放射化しても遠隔で開封できるような構造にする。事前に施設管理者に相談してください。

4.操作者

炉心への移送、返送はKUR当直運転員が行う。
カプセルの開封は実験設備管理部員が行う。

5.取扱方法

1)実験設備管理部員は照射試料の状態を確認し、試料をインナー容器に入れる。

2)実験者は試料を入れたインナー容器とHYD専用カプセルをKUR制御室に持っていく。

3)KUR当直運転員はカプセルに水を浸し手締めで蓋をする。

4)KUR当直運転員はカプセルをボートに乗せ、制御室と連絡を取りながらゆっくりと移送する。

5)カプセルの取り出しは放射線管理部員の立会いの下で行う。KUR当直運転員は制御室と連絡を取りながらゆっくりと取り出す。放射線管理部員はサブプール底に置かれたカプセルの線量率をサブプール水面で測定する。

6)KUR当直運転員はホットケーブ室の実験設備管理部員と連絡を取り、カプセルをホットケーブへの移送管の蓋を取りカプセルを入れ、実験設備管理部員にバルブを開けるように指示する。実験設備管理部員はホットケーブ室にカプセルが移送されたことをKUR当直運転員に連絡しバルブを閉める。KUR当直運転員は移送管の蓋をする。

※操作の詳細は保安指示書を参照する。

6.異常時の処置

カプセルが詰まり移送、返送ができなくなった場合はKUR原子炉主任技術者に連絡する。

7.設置場所

KUR炉室 サブプール

8.提出書類

KUR・KUCA照射使用記録、誘導放射能計算書、放射性同位元素取扱届(非密封)

実験に立ち会う場合:実験・出張計画、管理区域立入願、常時(臨時)立入者証交付願

9.装置管理者

10.その他

・基本的に移送、返送には実験者が立ち合い、その際にKUR・KUCA照射使用記録を持参する。

・研究炉運転中にカプセルの挿入、取出し操作を行う場合には、制御台操作員と連絡を取りながら慎重に行うこと。

・カプセルが炉心の照射位置から50cm以内にあるとき、研究炉の反応度に与える影響が大きいのでワイヤーを操作する速さは、微調整用制御棒の動きが一時に3cm以上連続して起こらないようにゆっくり行うこと。

・照射済みカプセルは原則としてサブプール内に置かないこと。

・照射済みカプセルをサブプール内に残す場合には、次の運転班または当直者への引継を十分に行うこと。

・カプセル取り出し時におけるサブプールの蓋の上での線量が2 mSv/hを超えるがカプセルを取り出す必要がある場合には、放射線管理部の許可を得て取り出すこと。また、カプセルの取り出し作業に時間が掛かり、作業員の被ばく線量が100μSvを超えるおそれがある場合には、放射線管理部の指示に従うこと。

・原則として実験者は試料の挿入・取出操作に立ち会うこと。

・試料の封入方法などの詳細について、事前に実験設備管理部員と実験方法等に関して打ち合わせを行うこと。