1.概要

炉心タンクの外にある黒鉛設備(TC)の中で照射を行うため圧気輸送管照射設備(Pn)に比べ、より柔らかい中性子スペクトル場での照射を行うことができる。同時に3個まで照射でき、最底部のカプセルを残して上部2個のカプセルだけを取り出すことができるのが特徴である。

図1.ホットラボラトリー配置図
図2. 黒鉛設備圧気輸送管の概略図

2.特性

表1.Tc-Pnの中性子特性
図3.カプセルの照射位置
図4.カプセルの大きさ

底部が炉心に一番近くなるため中性子束が高いが、上部にいくほどRcd(Au)が高くなり、よりやわらかい中性子エネルギーでの照射ができる。

3.条件

・試料は個体のみで1カプセル当たり10g以下とする。
・照射により放射性ガスが発生するような試料は照射できない。
・照射時間
POSITTION1  10秒以上
POSITTION2  10秒以上 かつ
        POSITTION 1残り時間 - POSITTION2設定時間 > 60秒
POSITTION3  10秒以上 かつ
        POSITTION 2残り時間 - POSITTION3設定時間 > 60秒

注)POSITTION 3のカプセルは単体で返送することができないためPOSITTION 2のカプセルと同時に返送されます。よってPOSITTION 3の発射はPOSITTION 2のカプセルが出る時間に合わせて行うため、POSITTION 2の残り時間がPOSITTION 3の設定時間+6秒になってから発射動作に入ります。

4.操作者

特に制限はない

5.取扱方法

① 試料の準備

・試料は2重のポリエチレン袋、容器や石英ガラスなどに封入し飛散しない措置をとる。

② カプセルの準備

・カプセルはホットラボ準備室に保管しているので必要分のカプセルを準備し、専用ゲージを通して形状に異常がないかを確認する。ゲージをスムーズに通らない場合はそのカプセルを使用せず、別のカプセルに取り換え、担当者に連絡する。
・卓上ボール盤で穴を3か所開ける
・試料をカプセルに詰めてカプセルの蓋を閉める。必要に応じてガーゼや脱脂綿などの緩衝材を入れる。特に試料を石英ガラス封入している場合は十分に緩衝材をいれる。ただし、ポリエチレンなどの通気性の悪い緩衝材は使用しないこと。
・所定のポリエチレン製リベットを3か所の穴にしっかりと差し込み蓋が開かないことを確認する。

③ カプセルの移送

・TC-Pnステーションにて行う。カプセルを送信器に入れ、制御用PCのタッチパネルで照射番号、氏名、所属、照射時間を入力する。
・照射開始ボタンを押してカプセルを移送する。
・同時に2,3個目を照射する場合も同様の方法で行う。

図5.Tc-Pn制御ソフト

④ カプセルの返送

・カプセルは設定時間照射すると自動で返送される。
・カプセルが返送されたことを確認し、タッチパネルの「キャプセルを確認して下さい」というダイアログのOKボタンを押す。

カプセルの移送、返送の詳細はステーションにある制御ソフトマニュアルを参照してください。

⑤ カプセルの開封

第1実験室のフード内でカプセルを開封する。開封後の放射性廃棄物は所定の分類に従って分別し、廃棄物記録票を記載しA表は各自で保管しB表は廃棄物置場のポストに入れておく。放射性廃棄物の詳細はホットラボラトリーを参照してください。

6.異常時の処置

安全上の理由などで、緊急にカプセルを取り出す必要がある場合に、強制的にカプセルを取り出すことができる。

① 画面中央下の<緊急取出>ボタンを押す。
 確認のダイアログで<OK>ボタンを押すと照射中すべてのカプセルが返送される(戻し弁1、  2が10秒間開きっぱなしになる。)画面中央下の<緊急取出>ボタンを押す。

② EMERGENCY RETURNでもカプセルが取り出せない場合は、炭酸ガス圧力を100 kPa程度ま で上がったのを確認し、再度緊急取出し操作を行う。それでもカプセルが取り出せない場合は直ちに黒鉛照射設備管理者に連絡する。

図6.緊急取り出しの方法

③ 取出し後は、必ず「黒鉛設備圧気輸送管保守管理者」に連絡する。

7.設置場所

原子炉棟ホットラボラトリー(放射線管理区域) ホットケープ室

8.提出書類

出張・実験計画書、KUR・KUCA照射使用記録、誘導放射能計算書、管理区域立入願

照射した試料を放射性同位元素として登録する場合:放射性同位元素取扱届(非密封)

核燃料物質を照射する場合:核燃料物質記録

9.装置担当者

吉永尚生 yoshinaga.hisao.4n*kyoto-u.ac.jp
飯沼勇人 iinuma.yuto.5z*kyoto-u.ac.jp
奥村 良 okumura.ryo.7x*kyoto-u.ac.jp
高宮幸一 takamiya.koichi.2u*kyoto-u.ac.jp   (*→@)

10.その他

・照射時間の短縮は照射当日でも可能、延長は不可
・照射をキャンセルする場合はKUR照射使用記録にキャンセルしたことを記載する。
・5MWで申請された照射は計画段階において1MW-5倍時間への振り替えが可能。
・エクステンションニューマ(EX-Pn)を使用する場合はKUR・KUCA照射使用記録に予め記載し、線量率がカプセルから10cmで1mSv/h以下で使用すること

※計画段階とは実験の3週間前に行うマシンタイムの調整段階をいう。